嘉泉を造っている東京の蔵元、田村酒造の特別蔵見学

投稿日:2012年11月5日|投稿者名: 中野 |6857 回閲覧

「東京にも酒蔵がある事を知っていますか?」

 

一般的に酒蔵、地酒って聞くと地方の方をイメージされる方も多いと思いますが、実は東京都内にも11件の酒蔵があります。今回、お世話になっているラベル会社の社長さんのご紹介で、東京都福生市にある田村酒造さんの蔵見学を特別にさせて頂きました。

 

 

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  田村酒造は、1822年より続く老舗の蔵元。

「丁寧に造って丁寧に売る」を自分たちのモットーとして、少量生産・少量販売を現在にいたるまで守り通している蔵元です。

 

 

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酒造りをしている忙しいシーズンで、普段であれば見学が出来ない時期なのですが、特別にプライベート見学ツアーを行ってくれました。蔵内の隅々を詳しく説明してくださったり、最新の機材についても教えていただきました。

 

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蔵周辺の武蔵野風景は山々が見えたり、玉川上水を見ることが出来ます。そして、その水の流れは敷地内にも分水として流れています。驚くのは、この敷地内に流れている川には、川魚も豊富にいます。鯉や鮎、鱒などの魚が敷地内を泳いでいます。釣り好きには夢の様な敷地ですよね。

 

 

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また、この地下水脈も田村酒造の上質な酒の味に大きな影響を与えているそうです。大吟醸やコンテスト用の酒では、この地下水を使用するそうです。

 

 

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蔵の敷地内には、こんなに大きな木もあります。かなりの樹齢の木らしいです。蔵の守り神みたいな存在でしょうか。。。

 

 

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麹室から出し、乾燥をしているところの麹米。次に、酒母造りに進みます。

 

 

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酒造りのタンクも見させて頂きましたが、設備の素晴らしさに驚きました。今まで何箇所もの蔵を見学していますが、温度管理が出来るタンクをこんなに沢山揃えている蔵は見たことが無いです。(大手の蔵以外は…)

 

 

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商品ラインナップを紹介しているショップも併設してあります。

 

 

 

東京の酒って、どんな味をイメージしますか?

 

 

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蔵紹介のビデオも見させて頂き、その後はお勧めの酒ラインナップをテイスティングさせて頂きました。

 

日本酒は造られる地域によって味のスタイルにも違いがあって奥が深い飲み物とよく言われますが、「東京の味って?」 って思いませんか?

 

以前、海外に提案する用で田村酒造さんからサンプルの酒を頂いたことはあったのですが、今回はその時以上のラインナップがテーブルの上に並んでいます。僕も今まで、新潟、京都、青森、島根、福井、etc..と色々な県の酒を味わってきていますが、東京の酒はまだそんなに経験が無かったので、テイスティングを楽しみにしていました。

 

今日は5銘柄をその場でテイスティングしましたが、勿論どれもプロファイルが異なる感じで特徴があり、場面場面によって飲み分けるのに最適だなという印象を持ちました。 全体的にみれば、全ての銘柄は「強い香りではなく、米の甘みを引き出したスッキリとした香り。ねっとりとしたBody系の酒ではなく、さらっとしたDryな酒」という印象を受けました。

 

「料理との相性を考えて味をまとめている印象がありますね」とお伝えしたところ、「そうなんですよ」とのお返事を頂きました。やはり酒ばかりが主張するのではなく、酒を飲む場面を楽しんでもらいたいという考えがあるそうです。蔵元がそういった自分たちの酒の方向性を明確にしているので、その考えが味に現れていると思います。

 

見学しながら、色々と貴重なお話を聞かせていただき、とても勉強になる蔵見学でした。

 

田村酒造の詳細は以下を参考に:

WEB: http://www.seishu-kasen.com/