コンテナ不足が酒の輸出・輸入にも影響

投稿日:2022年3月2日|投稿者名: 中野 |1597 回閲覧

2022年3月になりましたが、以前としてコンテナ不足や、

輸送費の高騰というのがお酒の輸出・輸入をされている方々の間で話題となっています。

コンテナ不足

 

  • 北米には大量の空コンテナがヤードに積みあがっている
  • メキシコからのDryFCLは比較的安い
  • 日本から香港へのDlyLCLは大きな影響がない
  • 日本からアメリカ行きへの船はスペース不足で価格高騰
  • アメリカにコンテナ船が到着しても100~300隻もの船が入港待ち

こういった話を僕達も船会社さんや、知り合いの貿易仲間から聞いています。特に北米行の輸出用の船はコロナがはやる前の段階に比べて、輸送費が3倍~5倍になった!や、スペースが確保できないから、LCL(混載)すら難しいといった、お話も聞いてます。

僕らは2012年から北米向けの輸出も法人で行っていますが、4パレット分のスペース確保に数ヶ月かかったりもしています・・・。もう、キャンセル待ちでスペースを確保してもらうといった感じです。

 

海上輸送費の高騰・円安

貿易ビジネスをやっていると、輸送費の変動や通貨の変動が大きな影響を与えてきます。僕達や、クライアントの皆さんはExcelを使用して価格のシュミレーションを行う事が多いですが、ここでは「輸送費項目と通貨のレート」を入力します。この数字が必要経費という事で商品へ上乗せされていくのですが、特に輸送費が2年前の2倍、3倍となっては、商品へのウェイトがとても大きいです。

 

また、空輸で少量の貨物を運びたい時もあるのですが、旅客機があまり飛んでいない時期なので、輸送専門の空輸会社さんに輸送依頼をする事になります。が!、その価格がとても高額で、恐ろしいです・・・。

 

もし1,2パレットもの商品を空輸するとなると・・・、場合によっては70~80万円近くのコストが・・。1本1本の商品へそのウェイトを載せるとなると、価格がとんでもない事に・・・。

 

船会社さんの説明は?

この異常な状態がもう長く続いているので、船会社の営業担当者さんもとても困っていると思います。僕たちが電話でお話をしても「以前の通りにご案内が難しくて・・・、スケジュールもよく変更になるし、価格は高騰してるし・・」といったトーンでの会話になります。

 

勿論、そういう事情はこの船会社さんだけではなく、全体的に同じなので、僕らがその担当者さんを責める事なんてありません。事情を教えてくれるだけでも理解できるので、少し安心できます。

(勿論、早く以前のように戻ってほしい気持ちには変わりはありませんが。)

 

僕らがいつもお付き合いがある船会社の担当者さんから聞いた話ですと、コロナになってもアメリカでの消費はとても多く、中国からアメリカへの輸送はバンバンあるそうです。バンバンあるのですが、アメリカから中国へ戻る際に、「Made in USAの荷物があまりない」為に、空コンテナばかりがアメリカの土地に残り、世界中でのコンテナ不足が続ている・・・という悪循環。ヨーロッパでも何万コンテナが不足していて、ワイン産業も困っているとか。。。

 

そんな中、船会社や大手商社では過去最高益を出しているという話も耳にした事もあります。そして、フォーワーディング会社の編成というか、M&Aといった動きもあるようです。大手D社がワイン輸送を得意としているJ社を傘下に入れるらし~よという話を知人がしてました。これが本当であれば凄い動きですね。まあ、サービス利用者の僕らからすれば、統合されても良いので以前のような価格帯に戻ってもらいたいというのが願いですが!

 

お酒の輸出・輸入は活発?

さて、貿易業をやっている方々であれば「今がチャンス!」と思われて動いている方も多いかと思います。実際に僕らがお付き合いのある海外の輸入会社の社長さんは「今の時期が競合他社も動きが遅いから、自分達がバンバン動くチャンスだ!」と言って、注文の数を以前の何倍にもして、コンテナ単位での発注になってきています。僕達もコンテナに積むパレッタイズされる貨物のサイズ計算をして、出来るだけ稼働率を上げるように(Less空気)シュミレーションをしながら、彼らの発注のアドバイスをしてます。

 

また、知り合いのワイン輸入会社さんは、Bookingに時間が結構かかるけど欠品はしたくない!という事で、積極的にヨーロッパからワインを輸入されている方もいます。そういった方がのサポートを僕らもしてますが、EPAの書類が当初より少し内容が変わったかな~といった変化を感じたりしてます。

 

クラフトビール、クラフトスピリッツ(ウォッカ・リキュール)の国内人気も高いようです。僕たちのお客さんでも、この時期であっても積極的に輸入をされている方々が多いなという印象があります。輸送費が高騰しているといっても、まだ海外から日本への輸入はそこまで酷くないかなというのが僕の印象です。日本から北米はとんでもない金額です。

 

蔵出し価格が低価格の商材を扱う場合、輸送費の高騰・通貨の変動はとても大きな影響を受けますが、薄利多売をしないクライアントが多いので、僕たちの知り合いの方々はそれぞれの考えで、自分達が考える商材を見つけ、輸入・流通させている印象があります。

 

今は待て!なのか、今だから行け!なのか?

人それぞれの動きを感じる今日この頃です。