ワインのインポーターなら輸入時にかかる各種の税金について、
とても興味を持ちますよね。
特に『輸入関税』の動きには敏感なのではないでしょうか?
ご存知の方も多いと思いますが、基本的には輸入されるワインには、以下の関税がかかりますよね。
”15%又は125円/Lのうちいずれか低い税率。
ただしその税率が67円/Lを下回る場合は67円/L。”
(税関より引用)
『もしもTPP交渉が進み、ワインの関税が向こう数年をかけて段階的に減り、最終的には0%になるかもしれない』というニュースを少し前に目にしました。
2014年10月現在、TTPに参加しているのは12カ国。
- シンガポール
- ニュージーランド
- チリ
- ブルネイ
- アメリカ合衆国(米国)
- オーストラリア(豪州)
- ペルー
- ベトナム
- マレーシア
- メキシコ
- カナダ
- 日本
これらの国を見ると、その中にワイン生産国として有名な国も何カ国か含まれていますね。
生産したワインを海外へ輸出販売する事により外資獲得をしているところも多いと思うので、
こういった関税が無くなるという動きには、賛成しているところも多いのではないでしょうか。
EPAにも注目をしよう
実際に貿易実務を行っている僕達からすれば、TPPは勿論ですが、既に日本と各国間で結ばれているEPAというのも大事です。
イメージとしては、TPPは色々な国が1チームで。
EPAは、日本対相手国の個別のAgreement。
こういった国と国との貿易に関する動きは、今日決定して、すぐに始まる
っというよりは、段階的に関税率が下がって行くというのが一般的ですよね。
例えば、南米チリ産のワイン。どこのお店に行ってもチリワインを目にすると思いますが、調べてみると1990年代後半から日本に本格的に輸入され始め、その後、日本とチリの間で結ばれたEPAのお陰で、さらに輸入数量は勢いついたそうです。そして、2019年4月~は、チリ産のワインに対する関税は0(ゼロ)へ。
既に日本にはかなり低価格で流通しているワインもありますが、
もしかしたら今後、何カ国かのワインは更に若干値段が下がるかも?と期待が出来ます。
ただし、最近は円安方向に為替が動いているので、そこも気になるところですが・・。
チリの例を意識してか、ヨーロッパ(EU)と日本とのEPAの交渉も盛んなようです。特に日本に入ってくるワインの多くはヨーロッパ(フランス・イタリア・スペイン等)があるので、こういった世界的に見ても有名で、生産量も多い国は、EPA交渉を機に更なる輸出拡大を狙いたいですよね。
日本には今現在、約年間1000億円近くのワインが輸入されていると言われますが、
今後数年間で、この数字も上がって行くのでしょうか?
手ごろで購入できるワインが増えれば、もっと消費者がワインを楽しみ、
それによって消費量も増えていく・・・という流れになるのかもしれません。
いずれにしても、『関税』という決まりが撤廃されると言う事になれば、
それは『大きな変化』 な訳ですから、そこに何らかのチャンスが出てくる可能性があります。
気になる話題なので、引き続き動向を見ていきたいですね!