海外からのお客さんを連れて新潟の酒蔵見学

投稿日:2016年4月26日|投稿者名: 中野 |2287 回閲覧

「日本酒は海外でも少しずつ人気が出てきている」

そんなニュースや情報を最近目にする機会が多くなってきたと思いますが、実際にわざわざ日本にまで来て酒造りの現場を見学してみたいという方も多くなってきているようです。

 

僕達のお付き合いのある海外の方々も是非酒蔵見学をしてみたい!というリクエストが多いので、年に数回は酒蔵さんへ連れて行く事もあります。今回は、2組合計3名の方をお連れし、新潟県で6酒蔵を見学させて頂きました。

 

今回ご紹介するのは、「塩川酒造」さん。共通の知人の紹介で見学させて頂く事となりました。

DSC02787

(写真中央が蔵元の塩川さん)

 

こちらの蔵元のユニークなところは、「面白い日本酒を造っている」というのがポイントです。では、面白いとはどんな事でしょうか?人それぞれ日本酒に対するイメージや想像する味等があると思いますが、こちらの蔵元の酒で僕達がとても驚いたのは、『山廃仕込み』の酒です。日本酒をある程度知っている方であれば、新潟の酒と聞くと『淡麗辛口』をイメージされる方が多いかもしれません。ボディー感や味わいが軽めで、飲んだ後に爽快なキレを感じさせる辛口。日本酒度も+が多いのが一般的ですね。特に刺身等のある程度軽めの食事との相性が良く、飲みやすいのが特徴です。

 

新潟には約90蔵ほどの酒蔵が清酒を造っているといわれており、造られている酒は淡麗辛口が多いのが一般的ですが、こちらの蔵元は『力強い味わいの酒』も造ろうと山廃仕込みの酒造りを熱心にされております。今現在殆どの酒蔵は『速醸酛』で効率的に仕込みをするのが一般的ですが、山廃は時間がかかる上、酵母を添加しないので香りも狙った香りを出せるかどうか?等、造り手のリスクも大きい酒造りと言われています。ですので、あまり多くの量を造れないのが一般的です。

 

しかし、塩川さんは何年も前から海外市場へ足を運び現地の輸入者や流通関係者、消費者の方々と試飲を通じて味の方向性を再確認し、山廃仕込みのスタイルを自分達の強みとして海外へ発信しています。

 

また、蔵元とお話をさせて頂いて感じた事ですが、とても柔軟な姿勢の方で積極的に新しい事に取り組む方だと思いました。やはり最近の日本酒の業界は積極的に動かれている方が、国内の都市部の市場や、海外市場でも認知度が上がってきていると感じました。

 

 

 酒造りの現場を見学する

 

 4月の半ばとなると、甑倒しをして後は発酵後の醪(もろみ)をろ過して今シーズンの造りを終える蔵が多いと思います。こちらの蔵ではちょうどろ過する直前の山廃の仕込みタンクを見せて頂く事が出来ました。山廃に力を入れている蔵でなければ見る事が出来ない光景だったので、かなりワクワクしました。

 

勿論、外国の方が山廃の仕込みタンクを見る機会は中々ない話ですので、皆さんとても喜んでいたのが印象的です。

 DSC02754

低精米ではなく、あまり削らない精米で仕込まれているからか?醪はうっすらと黄色がかった色を確認できました。タンク内をご覧頂いてお分りかと思いますが、上層部は荒々しい泡があるのではなく、スッキリとした感じです。発酵が落ちつき、絞り直前のタンクの様子といった感じですね。

 

普段なかなか入れてもらえない麹室にも通してくださいました。

DSC02742

麹室内の床は、各蔵によって木製であったり、ステンレス製であったりと異なりますが、こちらの蔵では木製でした。また、室内はうっすらと木の良い香りがしていたのも印象的でした。造りの寒い時期に、高温多湿のこの部屋で重労働な作業をされるのかと思うと、酒造りの大変さを感じますね。

 

貯蔵用のタンクを見学する様子です。このタンク内には、無濾過の原酒が入っていました。ですので、香りも強く、また試飲させて頂いた原酒はシッカリとした味わいなのが特徴的でした。

DSC02761

 

今回の見学では、『山廃仕込み』を見る事が出来たので、とても貴重な体験となりました。また、海外からのゲストもとても楽しんでくださったのが良かったです。見学中には数多くの質問をさせて頂いたのですが、すべての質問に親切丁寧にお答えしてくださった蔵元に感謝しております。

 

実際に蔵を見学させて頂き、そして蔵元とも交流する事により、海外の方々の酒の関心は更に高まったと思います。地道ですがこういった活動を通して、丁寧な酒造りの様子や、蔵元の姿勢等を海外の方々に知って頂けると今後の輸出にもつながるのではと思います。

 

日本国内で酒を売りたいという方や、海外へ展開してみたい。又は海外の酒を日本で広げたい等、様々なビジネスが考えられますが、あなたはどの様な展開をお考えですか?

 

酒に関するビジネスを始めるに当たり、相談してみたい事があればお気軽にご相談ください。

それでは!