「日本であまりポートワインを見ないので、輸入してみたい」
このようにお考えのお客さんをサポートさせて頂きました。
ポートワインとは、日本国内の酒税法では「甘味果実酒」と呼ばれます。まだ醗酵を行っている時にブランデーを入れる事で酵母の動きを止め、そして独特の香りと味を加えるのが特徴ですね。アルコール度数は19.5%だったり20度ぐらいが一般的です。
このポートワインですが、日本語の裏ラベルの表記にもちょっと気を使う必要があります。なぜなら度数がワインとは異なり高いからです。僕達も税関への相談で何度か電話、FAXをして、注意事項を確認していきました。こういう細かいところは結構ナーバスになるので、しっかりと情報をまとめていくのがポイントですね。
ポートワインは、ワインと呼ばれるので果実酒の輸入と共通する部分も多いのですが、裏ラベルの表記が果実酒とは異なるので、果実酒とは別のラベルが必要になってきます。また、アルコール度数が高いので輸入時の税金が大きく変わってくるので注意が必要ですね。僕達はポートワイン用の税金計算表を用意して、事前にどの位の税金がかかってくるか?をある程度計算するようにしています。
通関時にも気を付けよう
一般的に輸入をする際は通関士に輸入通関手続きをお願いする事が多いと思います。通関士は貨物の輸入の際の各種手続きを行ってくれるのですが、「こうすれば良いですよ!」っと手取り足取り教えてくれる事はあまりないかと思います。どちらかというと「出来上がった情報を出してください、それに基づき申告を出します」というのが一般的でしょう。
そして「通関士選び」というのが輸入時の運命を大きく左右すると僕達は思っています。
つまり、
- アルコール飲料(酒類)の輸入経験が豊富
- アルコール飲料(酒類)の輸入を普段あまり扱っていない
この2者を比較すれば、明らかですね。
通関士といえども毎日毎日色々な貨物を扱っていて、想像以上に様々な商品の通関作業を行っています。雑貨が得意な方、車や機械が得意な方、食品・酒類が得意な方、なんでもOKという方、様々います。自分の輸入通関をお願いする通関士が、ある程度場数を踏んでいないと、お客さんである輸入者も困る事が出てくるでしょう。
かといって、通関に必要な情報というのは通関士が用意するものではなく、「輸入者」となります。ですので、輸入者が積極的に必要な情報を集め、それをまとめあげながら、輸入準備を進め、最終的に通関士へ提出し、それを通関士が通関時に申請するのが一般的な流れです。
輸入者は、「誰かがやってくれるだろう」と考えるのではなく、自分自身で通関に必要になってくる情報が何なのか?を把握し、貨物が日本に到着する前までにある程度情報をまとめあげておく事が求められます。貨物が到着してから集めるのでは、結構時間がかかるので、通関が終わるタイミングも伸びてしまいますね。勿論貨物を保管している時間というのは、保管代も発生するので、こういった時間は出来るだけ最小限にするのがベストですね。
輸入コスト計算
例えば、輸入する予定のポートワインが1本5ユーロぐらいだとしても、貨物の送料と、日本で発生してくる関税・酒税・消費税をたしていくと、僕達の計算では商品買付価格の2倍以上がトータルでかかってきます。(輸送コストにもよりますが)
ポートワインの輸入時も気を付ける税金のポイントは3つ
- 関税
- 酒税
- 消費税
ワイン(果実酒)と異なってくるのは「酒税」の税率ですので、ここは気を付ける必要があります。ワインのアルコール度数は約13度前後が一般的ですが、ポートワインの場合ですと19%から20%ぐらいですね。酒税190,000円/KL計算の部分が難しいでしょう。
事前のコスト計算ですが、これを行う事で「おおよそどの位のコストがかかるか?」がザックリですが見えてきます。これが分かる事で、輸入通関時の準備を進めやすくなるでしょうし、お客さんへ「だいたいこの位の価格で販売します」という、プライシング時にもコスト計算が役に立つはずです。
しかし、輸入実務をやった事がない人であれば、こういった実務のところが分からないので、困ってしまう事が多々あるかと思います。そういった意味でも、経験があって実務相談ができる方と連携する方が安心して初めてのポートワイン(甘味果実酒)の輸入が出来ると思います。
「まだワイナリーとも商談中だけど・・・、この時期から相談出来ますか?」という感じで相談されてくる方が殆どで、僕達としてもその位の時期であれば、色々と準備の手引がしやすいのでサポートしやすいです。どうしてもワイナリーから入手する必要がある情報がありますので、貨物が現地を出航する前に相談してもらえると助かります。
裏ラベル製作の進め方、輸入通関用に必要なワイナリーからの情報収集、コストの算出等、をご案内させて頂きます。
あなたもポートワインの輸入をお考えであれば、気軽に相談から始めませんか?