山梨県甲州市勝沼町のワイナリー、蒼龍さんを見学させて頂きました

投稿日:2014年10月6日|投稿者名: 中野 |6566 回閲覧

ワイン造りで忙しいこの時期…、

そして、その現場を見学したくなるこの時期…、

山梨県甲州市勝沼町の「蒼龍葡萄酒株式会社」様にお願いをして、

ワイナリー見学をさせて頂きました!

 

蒼龍(そうりゅう)さんのワインを見かけた事のある方ならお解りと思いますが、

こちらのワイナリーは、「無添加ワイン」を造り始めた事で多くの方々に知られたそうです。

社長の鈴木さんが無添加ワイン(酸化防止剤を入れない)の造り方を考え、

それが国内のワイン造りの現場でも広がったそうです。

 

blog_image_01

東京から車で約2時間、到着した勝沼はこんなにキレイな秋晴れ!

 

ワイン造りをしている現場にご案内して頂いたところ、

ちょうど造りの責任者である鈴木さまとお会いする事が出来ました。

お忙しいにも関わらず気さくに撮影へご協力してくれました。

 

blog_image_04

 

 

ワイナリーの入り口には、収穫されたばかりの葡萄が沢山パレット積されています。

blog_image_06

 

ちょうど、この時期は甲州(Koshu)を使ったワイン造りが行われているそうです。

甲州葡萄と言えば、2010年にワインの国際的審査機関「OIV」にワイン醸造用葡萄として日本で初めて登録された葡萄として有名ですよね。

blog_image_02

実際に味見もさせて頂きましたが、食用の葡萄よりは甘みが控えめで、

サッパリ・サラッとした味わいという印象でした。

 

 

ワイン造りの現場を見学中、数多くの質問をさせて頂きました

 

破砕機&プレス機

blog_image_03

こちらの機械で葡萄と梗(しんの堅い枝)を分けて、次に果汁のみをタンクへ移動。

一晩寝かす事で、沈殿物は下に溜まります。

その後、このタンクの上澄みの果汁だけをワイン造りに使用するそうです。

 

造りのシーズンは、8月初旬から10月いっぱいぐらいに行われるそうです。

日本酒の場合ですと、10月~4月いっぱいが多いと思うので、

比較すると造りのシーズンが異なりますね。

 

造るワインにもよりけりですが・・・、という事ですが、

1度に造るワインで使用する葡萄は約6トンだそうです。

そして、一日に多い時で14,15トン分の葡萄を使いワイン造りをするそうです。

 

ワイナリーの入り口に箱積みされた葡萄がありましたが、

これを人力で1ケース、1ケース運ぶそうです。

日本酒の蔵ですと、太いホースで吸って蒸し米を運んだりしますが、

ワイン造りの現場では人力での作業が結構多いとの事・・。

想像するだけでも、大変さが分かりますよね。

 

タンクでの醗酵は、ワインのタイプによりけりですが、

約1ヶ月かけて造るものもあれば、2-3週間の醗酵のものもあるとの事。

また、これも造るワインによりけりのようですが、

醗酵温度はタンクを約20度に設定し醗酵させるそうです。

この温度の違いも面白いですよね。日本酒造りの際の醗酵温度はかなり低め。

6度~15度ぐらいが一般的でしょうか。

 

Koshu grapes。

blog_image_09

今シーズンは、約200Tほどの甲州を使用するそうです。

 

 

こちらは、マスカット・ベリーA(Muscat Bailey A)。

BerryではなくBailey。

blog_image_10

マスカット・ベリーAは、2013年に国際ブドウ・ワイン機構(OIV)への品種登録が行われましたよね。Koshuに続いて2品種目の登録となったそうです。こうやって原材料となるGrapeの登録を日本以外で行う事で、今後海外での認知度も上がっていくのが期待されますね。国内ワイナリーや関連する皆さんの活発な動きを感じます。

 

blog_image_07

フランスから輸入された専用の樽(Barrels)を使用し、熟成させます。

案内してくださったYさんに聞くと、この樽も5、6回程使用すると使えなくなるそうです。

そう考えると、ワイン造りにはコストがかかるんですね…。

 

事務所・Shopがある建物の地下には、熟成させるセラーもあります。

赤ワインと白ワインは温度が異なるので、別々のセラーで熟成させるそうです。

blog_image_08

棚に並べられたボトルや、樽貯蔵されているワインがずらり。

 

コルクについても質問をさせて頂いたところ、ポルトガルから輸入されているコルクを使用するそうです。それを知って「そうなんだ!」と少し感動。1本のワインが出来上がるのに、様々な背景がある事を知ると奥が深い。

 

 ワイナリーの見学をさせて頂いた後、試飲もさせて頂きました。

(僕は運転手ではないので、色々と試飲を楽しむ事が出来ました!)

blog_image_05

熱心なリピートのお客様も多いらしく、生産するワインは、

商品によっては販売前の段階で「売り切れ」となる程の人気だそうです。

 

グラン 甲州 (シュール・リー)は香りもエレガントな感じで、少し控えめだけど奥深い感じです。味はとてもサッパリとした清涼感 のある酸味、リフレッシングだけども味わいのあるやや辛口の白ワインといった印象。

 

グラン蒼龍 Vin Blancは、グラン 甲州 (シュール・リー)に比べると、丸みがあるというか、マイルドな感じがしました。飲み比べる事が出来ると、それぞれのキャラクターが分かるので良いですよね。

※ ”Sur Lie(フランス語)、醸造終了後、澱引きせずに澱の上で貯蔵する方法”

 

帰りには12本ほど購入させて頂き、早速、「無添加 デラウェア 初しぼり」を自宅で開けて、知人達と楽しみました。甘めの味わいのワインで、とてもフレッシュな感じがする白ワインです。特に、ワインは初めて!とか、甘くて飲みやすいワインを探している、という方にお勧めのワインです。

 

「グラン ベリーA」を次は開ける予定です。

これも楽しみ!

 

■蒼龍さんのワインのお求めはこちらのHPより可能: http://soryu-wine.com/

 

ワイナリー見学をさせて頂いた蒼龍さんには、とても感謝しております。

是非また勉強させて頂ければ幸いです。