酒のサンプルを海外へ輸出する時は、どうやって送る?

投稿日:2016年9月23日|投稿者名: 中野 |2210 回閲覧

日本酒・焼酎のサンプルを海外へ送りたいと考えても、実務として何をすれば良いのか分からずに困る方も多いかと思います。特に輸入相手国の通関が厳しい時は悩みますよね。

 

 

輸出時に気をつけたい事:

  • 日本側でのパッキング
  • 箱の寸法、重さの正確な情報
  • 日本側で用意する各種書類(特に注意!)
  • 荷姿の撮影、書類のスキャン

 

雑に準備を進めて貨物を送ってしまうと、トラブルが発生した時にとても困るので1つ1つちゃんと対応される事をお勧めします。

 

 

 

 

 

パッキング、梱包をシッカリと行う

 

まずパッキングについての重要性ですが、「酒=割れる」可能性が高いのはご存知かと思います。「FragileやHandle with care」等のWarningシールを貼っておけば大丈夫でしょ!?なんて思っていても、それでも割れる事もあると頭に入れておきましょう。

 

何で割れるの?日本で宅急便で酒を受け取る時に割れた事ないよ!

と思われるかもしれませんが、日本国内の宅配サービスはとても親切丁寧に物を運んでくれるので、あまり破損して受け取る経験はないかもしれませんね。でも、海外企業のデリバリーサービスは日本企業程丁寧に扱わない場合もあるようです。海外へ酒を送っている人なら「割れたら困る」というのはいつも頭にあると思います。少なくても僕達はパッキングをしっかりするのはBottom lineと思ってます。

 

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ボトルは1本1本、専用の梱包材でプロテクトして発送準備をするのがお勧め。梱包材は1つ150円ぐらいで入手可能です。エアーのプチプチで巻けば良いのでは?という方もいると思いますが、プチプチは横の圧には耐えられるのですが、上からの圧にはあまり効果がないかと思います。つまり、上の写真の様な梱包であれば、強度が上がるので、段ボールの上からの圧にも、ある程度耐えられます。僕達はエアーのプチプチを使う事は殆ど無いです。

 

この梱包材のメリットは強度がある事なのですが、デメリットとしては「スペースを取る」事でしょうか。実際に箱詰めすると、そんなに沢山の本数を入れる事は出来ません。

 

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60×40×40の箱に入れても15本がMaxですね。

 

 

箱の寸法、重さは確かな情報を把握する事

 

箱についてですが、中古の箱を使用するより新品の段ボール箱を使用する事をお勧めします。既に使用された箱ですと、ダメージがあったりして強度が弱い可能性があります。売られている箱であれば厚みがあったり(ダブルレイヤーなら最高)、つぶれ等のダメージが無いので、宅配業者さん等から買って使用するのをお勧めします。

 

箱を組み立てる際は、底部分のガムテープをシッカリとしておきたいですね。中身が15KGの重さになる事を想定して、ある程度多めにテープをされる事が良いでしょう。

 

箱を組み立てたら寸法を測り、縦横奥のサイズを把握しておきましょう。Packing Listに寸法を記載すると思いますので、その際はこの情報を記入します。

 

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次に、サンプルを入れた状態の箱の重さを確認します。僕達は普段上の写真の測り機で重さを確認してます。箱に紐を付けて、これで持ち上げてチェックするという原始的なやり方です。50KGの重さまで耐えられるそうなので、問題なく重さの確認は出来てます。(スーツケースの重さを測る機械かな?)

 

普段僕達は「1本の720MLの酒=1.2か1.3KG」と頭の中で計算しています。若干多く1.3KGと考えるのが殆どです。梱包材の事もありますので。少し多めに考えていた方が、後々シッピング代の請求が来た時にもバッファーがあるので少し安心ですね。

 

 

書類の準備は慎重に

 

サンプル発送の際は空輸が殆どになってくるかと思いますが、船にしろ空輸にしろ「書類の準備」は慎重に進めるようにしています。不備があれば、現地での輸入通関が出来ないからです。「通関でのトラブル=受け取りにも余計な時間がかかる」ので、トラブルは避けたいですね。

 

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「サンプルだから販売用じゃないんだし書類の内容は簡単で良いでしょ!?」

なんて甘い考えをしないよう注意。

 

サンプルであろうが販売用であろうが、「アルコール飲料」を送る(現地では輸入する)訳ですので、情報がしっかりしていないと通関時にトラブルになります。

 

最低限

  • Invoice
  • Packing List
  • AirWaybill
  • 輸出者免許
  • 輸入者免許
  • 場合によっては輸出相手国の通関書類

の準備を整えて、貨物の輸出となります。

 

 

荷姿の写真撮影と書類のスキャン・コピーも忘れずに

 

サンプルだろうが、実際のコンテナでの輸出だろうが、荷姿の写真撮影は僕達は行うようにしています。そして、郵送発送する書類がある時も必ずスキャン、コピー、又は写真撮影をして保管するようにしています。

 

なぜか?というと、

  • 輸入者の手元に到着するまでの輸送時のトラブル時に対処出来るようにしたい
  • 輸入者へ今日この情報と荷姿で送ったよ!と報告が出来る

からです。

 

送る際の貨物に保険をかける場合、もしも万が一破損があった際に何らかの形で証明する必要がありますよね。その際に写真で荷姿を見せれると、発送時には「壊れていない状態」だったと伝える事が出来ます。勿論、この様なトラブルが発生しない事が一番いいのですが、実際に破損トラブルが出た場合は、対処が求められます。

 

 

トラブル発生は辛い…

 

輸出入で貨物が受取人に到着しない場合のトラブルを経験された事はありますか?

それか、予定日になっても受取人の手元に貨物が到着しなくて困った事はありますか?

 

僕らは何回か経験した事があります。特に今でも忘れないのは一番最初にアメリカへサンプルを送った時の事です。「これで完ぺきだろう!」と準備した書類とともにサンプルを送ったのですが、発送後2週間たっても受取人の手元には貨物が届かない。届かないので相手から「クレーム」が入ってきます。

 

ようやくどこに貨物があるのか?を把握した後に出てきた問題は「通関出来ていない」というトラブル。つまり書類の不備です。自分達が完璧と思った書類であっても、現地通関時に必要な情報が盛り込まれていないと「ダメ」という事で輸入通関が出来ませんね。でもその時は「何がダメなのか?」すら分からないのです。

 

書類なんて簡単に書けば良いでしょと思われる方もいるかもしれませんが、「通関時」には情報が大事です。書類の記載が現地の輸入通関時に必要な情報が盛り込まれていないと「輸入不許可」扱いになる訳です。そういった場合は別途情報の提供をするか、それか通関出来ないという事に・・。

 

僕達が最初に送った貨物は、2つ問題がありました。

  • 書類の不備
  • サンプルの破損

 

この結果、輸入者さんからは何度もクレームがあったし、「急ぎでもう一回サンプルを送ってくれ!」という連絡もありました。簡単に送ってくれ!とは言うけど、送るのってそんなに簡単じゃないぞ!と何度も思いました…。

 

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約4万円払った空輸。

やり直しとなり、更に4万円。そう、つまり合計約8万円に(涙)

 

 

サンプル輸出といっても、特に初めての方にとっては分らない事も多く、破損の事やコストの事でも色々と不安になるかもしれませんね。こういった実務は実際にやっている人間にしか分からない話なので、相談相手探しにも苦労されるかもしれません。悪戦苦闘して何回かトラブルを乗り越えながら経験値を付けるか、チーム作りをして経験者と一緒に対応するかのどちらかでしょう。

 

もしもサンプルの輸出なり、実際の貿易実務なりで分からない事があれば僕達がお役に立てる事があるかもしれませんので、お気軽に相談をしてみませんか?