「ワインを輸入したいけど、色々と難しそう…」
その様にお考えの方は多いのではないでしょうか?
簡単か難しいか?
と言えば、難しいと僕達は思っています。未経験の方で、これから初めて輸入する際は、何をどの様に準備すれば良いのか分からず、結構悪戦苦闘されるかと思います。
販売目的で輸入するなら、勿論免許を事前に取得しておく必要があります。たまにサンプルとして数百本~1000本くらい輸入したいのですが・・・と相談を受ける事がありますが、量が多すぎてサンプルとしての輸入通関は難しいと考えていた方がいいです。もしもサンプルとして輸入した酒を不特定多数の人へ配る、飲ますという行為をお考えであれば、サンプルとしての輸入通関自体が出来ない可能性もあります。ですので、輸入する酒は「何目的なのか?」を、まずハッキリさせる必要がポイントですね。
スパークリングワインの輸入をお考えの際は、一般的なワインの輸入時と異なるところが何点かあるので、気を付ける必要があります。受け取りの準備を進めるに当たっては、事前にメーカー側から必要情報を入手して、各種の準備を1つ1つ進めるのが効率的でしょう。
貨物をのせた船が予想より遅れて日本に到着!?
輸出者より当初聞いていたのは今月末には日本の港に到着予定と聞いていたのに、日本へ来る途中の経由地での予想していなかった程長い時間がかかる事もあります。
例えば、Holiday season、年末年始、など港が混むシーズンには、「ええええ!?」っと思うほど、貨物が経由地の港でストップする事があります。今日経由地の港に船が到着したなら、向こう2,3日で出航するだろう・・・と思っていたのに、1週間~2週間近くも貨物が現地で止められたら困ってしまいますよね。
もしも「○月○日には酒が絶対に必要!」といった理由があれば、その重要な日より約1ヶ月前には船が日本に到着するスケジューリングがお勧めです。なぜなら、「船が港に入ってくる=直ぐに手元に酒を持ってこれる訳ではない」からです。
船が到着したとしても・・・、
- コンテナが船から出されるにも数日時間がかかる
- コンテナが出てきたとしても混雑時には輸入通関が始まるにも時間がかかる
- 輸入通関が始まったとしても提出している情報が足りないと、補足に時間がかかる
- 検疫検査の対象となると、検査自体に1~2週間程度はかかる
- 初めての輸入の場合だと税関検査に時間がかかる場合がある
- 裏ラベルを日本の保税倉庫で貼る場合、作業に時間がかかる
- 手数料、税金等のお金の送金にも時間がかかる場合がある
- Etc…
と、色々な理由から「時間がかかる」場合がありますので、そういった事を想定してスケジュール感を考えておく必要があります。ですので、「○月○日には酒が絶対に必要!」という場合は、最悪のスケジューリングを想定してシッピングの手配をする事がポイントです。
どうやったらスムーズにワインを受け取れるのか?
これは「経験がある人にお願いする、一緒に動く」というのが一番効率的かと思います。自分は初めての輸入でネットで調べた程度の情報を元に準備を進めていくと、自分が進めている準備や情報が「正しいのか?間違っているのか?」が分からないと思います。
一般的に通関を担当される方は、「依頼者は輸入の事を分かっている方」と考えているかと思います。なぜなら普段彼らが仕事をする際のクライアントは「まとまった情報・出来上がった情報」を提出し輸入通関の依頼をするので、通関担当者もそれに基づき仕事を進めます。
通関担当者は毎日、輸入や輸出などの様々な案件を対応しているので、一般的には多忙な方です。担当者によりけりですが、彼らは一から手取り足取り手引きをしてくれる訳ではありません。
- 「通関用の情報を出してください」
といった感じの程度と想定しておいた方がいいです。
実際に輸入の経験がある僕達が直ぐに気づく事
自社で輸入する時もあれば、クライアントの初めての輸入をサポートをする事もあるので、その経験から気づく事が何点かあります。
例えば・・・、
- Invoice Value
- ワイナリーから入手して頂いた検査値
- 原材料
- 添加物
- 着色料
- 酒以外で一緒に輸入される雑貨等
こういった情報がストライクゾーンなら問題なさそうだなと分かるのですが、たまに「ん??」といったストライクゾーンから外れているのでは?と思われる情報が出てくる事もあります。
よくあるのがInvoice Value。
販売目的で輸入した商品が10Euroなのに、一緒に送られてきたサンプルの方は異なる金額の場合、不自然ですよね。サンプルは1Euroなんて書かれてあれば、誰が見ても普通に何で同じ商品なのにサンプルだけは9Euroも安くなるの?という話になります。無償提供を受けたサンプルだとしてもValueはValueです。
その他にも添加物には特に注意が必要。
一般的に流通がされているような酒なら良いのですが、稀に特殊というか、「見た事ないな!」といった変わった(ユニークな)商品を輸入されたいクライアントがいたりもします。そうなってくると、HSコードの分類が普段あまり目にしない番号になる場合もありますし、裏ラベルの記載事項にもかなりの注意が必要になってきます。
何でも自分でやれば安く出来ると思うのは危険
「誰かに仕事をお願いすればコストがかかるから避けたい」と考えるばかり、何でもかんでも自分でやろうとして、自分が進めている準備が曖昧なままになる方もいるでしょう。特に初めての輸入の場合は経験値が無い状態です。そんな状況のまま進めていくと、貨物の受け取りが難しくなる場合もあります。
- 今回のは滅却なり返却になるかと思います。
お力になれませんで申し訳ございません。
と通関担当者から言われたケースもあります。。。貨物を返却なんて事になれば本当に残念ですよね・・。送り返すのにもコストがかかりますし、輸出者がReturnを受け付けない場合もあるかと思います。
コスト削減ばかりを考えて痛いレッスンになるのか?
それとも、最初から経験を積む為のレッスン代と考えて、動いていくのか?
この違いかと思います。
あなたはどのように輸入準備を進めますか?