「出来るだけコンテナ内の無駄なスペース(空気)を減らし、大量に商品を送って欲しい」とリクエストがあった場合・・・。
POを頂き、そのPOの内容だと合計で8Palletになると輸入者へ伝えたところ、「数量は輸出者の方で調整してOKなので、可能な限り20FtのFCLで出してほしい」と返事が・・・。つまり、元々のPOにプラスαで商品を2Pallet分追加し、フルの状態で出航して欲しいというのが輸入者の希望。
そんな要望があり、数日かけて細かく、本当に細かく計算をして叩き出した数字がこれです。
- 1800ML: 456本
- 720ML: 3,342本
- 300ML: 1,800本
合計: 5,598本 (3,767,040 ML, 418 cases)
ではこういった場合、どのような実務を行うかというと、まずはコンテナに入るパレット(20FTの場合1100X1100は10Pallets)にどれだけのケース数(本数)がのせる事が可能か?をPallet1~Pallet10まで段組みシュミレーションをするのが効率的です。
例としてはこんな感じ。
- Pallet#1を横から見た図
- Pallet#1を上から見た図
この細かな作業を行うには、
- 各商品の実寸の寸法を把握する
- 画像編集ソフトで縮小図を作成する
- パレット分の高さを含め、地面から2M以内になるように段組みをする
- 1100mmの横幅から1mmも出ないようにケースを配置する
こんな事がポイントになってきます。
パレッタイズ段組みシュミレーションが完成したら
POの書類に変更後の数字、価格を記載し、輸入者からのConfirmationを頂く。その際に段組みシュミレーションも送ると、相手もコンテナ内のイメージが分かるのでお勧め。
次に、実際にパレッタイズ作業をどこで行うか?を決まる必要があります。
考えられるのは、
- 酒蔵でパレッタイズ作業をして頂く
- 輸出港の保税倉庫で輸出者又は倉庫の方々でパレッタイズ作業をする
僕達の輸出の場合はケースバイケースでパレッタイズする場を決めています。保税倉庫で行う時もあれば、蔵元にお願いする時もあります。今回のケースは、10Pallets全てを蔵元にパレッタイズ作業をお願いしました。蔵元も「図面通り全部のせる事が出来たよ!」と言ってくださったので、良かったです。パソコン上ではOKでも実際の現場ではダメだった・・・なんて事も起こってもおかしくないですからね。こういうのはある程度輸出・輸入の実務経験がないと、蔵元への手引をするのは難しいかと思います。
その後、チャータートラックに乗って横浜へ到着。搬入された保税倉庫では状態確認を行った程度で、特に貨物の組み直し等はありませんでした。勿論、破損もなくキレイな状態で10Palletsが揃いました。
後は・・・
貨物の手配が無事に終われば、あとは書類関連の準備を慎重に行います。不備があると輸出通関+輸入国での輸入通関に影響が出るので、注意が必要です。
- 免税書類(蔵元へ書き方の手引を送る)
- Sales Contract
- Invoice
- PL
- CO
- HC
- BL
- BILL
こういった書類を準備して、輸入者とやり取りをしたり、通関士とやり取りを行っていきます。送る相手国によって必要となる書類が変わってくるので、ある程度大事なポイントを事前に抑えておく必要があります。
その他、代金の回収や経費の支払い等を行い、必要に応じて輸入者側の通関用の情報収集・情報提供を行ったりします。送った酒が現地で無事に輸入通関されるまでサポートしたいですよね!