日本からウィスキーを海外の輸入会社へ輸出したい?

投稿日:2016年9月27日|21607 回閲覧

海外の輸入者より引き合いがあるので、日本のウィスキーを輸出したい!

という方もいるかと思います。

 

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白州や知多、竹鶴などであれば飲食店でもよく見かけますね。

 

さてウィスキーの輸出についてですが、輸出が可能かどうか?というと、とても難しいです。特に大手メーカーさんの有名銘柄の輸出は難しいですね。個人的に1本ぐらいを海外の知人へギフトで送りたいというぐらいの話であれば、場合によっては出来るかもしれませんが、貿易として日本の大手メーカーのウィスキーを海外へ輸出するには、色々と難しい事があります。

 

 

輸出するウィスキーをどうやって入手するのか?

 

「そんなの小売店に行って大量買いするなり、ネットショップで大量注文すれば入手出来るでしょ」なんて思われている方がいましたら、そのやり方はお勧めしません。特に、輸出者であるあなたが輸出の免許をお持ちであれば、小売店からの仕入れをして海外輸出をするという行為が、行ってはいけない行為なので、やらない事をお勧めします。少なくても免許を持っている僕達であれば、絶対にこのような事は行わないです。

 

個人的にギフトで1本程度送るのであれば、あなたは輸出会社ではなく一個人として、小売店からウィスキーを買って、ギフトとして送れるかもしれません。「かも」というのは、海外へ送るには、船会社なり空輸会社のサービスポリシーを満たす必要があるからです。もしも、配送会社が、ウィスキー等の高アルコールのシッピングを行っていないという決まりがあれば、ギフトとしても「送る事は出来ない」でしょう。

 

送る事が出来ないからといって、「書類に異なる情報」を書かないようにしましょう。例えば、アルコール度数40度のウィスキーが段ボールの中に入っているのに、Invoice上では別の酒(度数も異なる情報)にしたり、ビネガー等、別の商品名を記載するのはダメですよね。

 

輸出に関して、メーカーに直接相談をしてみるのは?とお考えの方もいるかと思います。実際にお電話なりメールでお問い合わせするのも良いかと思いますが、返ってくる答えは「大変申し訳ありません。現地の国の正規代理店の紹介は出来ますので、輸入希望される方に、その代理店へお問い合わせ頂けませんか?」といった内容が返ってくるでしょう。(実際僕達が以前問い合わせをした際は、その様なお答えでした。)

 

「現地正規代理店をご紹介しますので・・・」というのは、正論ですよね。大手メーカーさんは、海外の色々な国々で提携先企業が存在し、そういった正規代理店経由で大手メーカーの商品が流通されている事が殆どかと思います。場合によっては自分達の子会社があるかもしれませんね。ですので、日本から第三者の輸出者経由で海外にウィスキーを輸出するのは、実現する事が難しいのが現状です。

 

ただし、大手メーカー側が「輸出してほしくない」と思っていても、輸出輸入の動きをすべて把握するのは現実的に無理なので、大手メーカーの知らない所で、海外流通している事もあるようです。この流通がOKなのか、どうなのか?は不明ですが、「並行輸入」と呼ばれるようです。

 

 

実際に輸出するなら、卸会社から仕入れて輸出するのがやり方か?

 

卸会社からウィスキーを仕入れて、海外へ輸出する行為が良いのか、悪いのか?と考えると、酒税法の流通の流れで言えば、大丈夫なのではと僕は思います。

 

× 小売店から仕入れ、海外へ輸出

○ 卸会社から仕入れ、海外へ輸出

 

ただし、大手メーカーから日本国内の卸会社へ商品が流通する際は、「国内販売を前提に」という事で流通していると思います。ですので、「海外輸出用に」となってくると、もしかしたらメーカーさんは、嫌と思われる可能性が大ですね。

 

僕達が知っている海外の輸入者さんは、日本からウィスキーを輸出出来ないのであれば、「自由競争じゃないだろう!」と言っています。確かに、そう主張されれば、そんな気もしてきますよね。でも、免許的にの話ではなく、企業間の取り決めがあるから・・・、というのが理由の場合というのは、第三者はどの様に動いて良いのか?よく分からないですよね。メーカーと提携先の正規代理店の取り決め事として、別の輸出会社経由・輸入会社経由でその国には、OOメーカーの商品は流通出来ないとしたとしても、自由競争では無いと第三者は主張してきそうです。

 

また、卸会社さんへお達しとして「海外輸出用には流通させないでください」というような話が大手メーカーからあるのか?は不明です。

 

 

海外のネットショップや飲食店で売られている日本の大手メーカー商品の不思議

 

「何でこの国で日本のウィスキーが売られているの??」

っとビックリする事ってありませんか?

 

例えば空港の免税店で見かけるのであれば理解できるのですが、輸入食品店等で日本のウィスキー(結構高級なもの)を見かけたりする事もあります。僕はそういうのが商品棚に陳列されているのを見ると、「正規輸入品なのかな?」と気になってしまい、裏ラベルをチェックしてしまう癖があります。輸入者情報が載っていない裏ラベルで流通しているのを見かけたりすると、「どんなルートで入ってきてるの?」と不思議に思います。ハンドキャリーなのか、何なのかは不明ですが、海外で有名メーカーの商品が出回っているのを見かけた事があります。

 

ハンドキャリーって「個人消費の為」か「ギフト用」で持ち込みという事でOKが出ていると思います。ですので大体どこの国へ入国する際も免税範囲としては、例えば2Lまでみたいな制限がありますよね。容量制限をこえる場合は、申告書を記入して税金を納めてくださいとなってます。でも、この申告というのは販売用目的ではないはずです。

 

でも!そんな事をいっても「知らなかった」等の理由から、市場に出回っている場合もあるようです。例えば飲食店さんでも堂々とメニューにのせるのではなく、キャビネットの中に保管されていて、知ってる仲のお客さんが来た時にだけ提供する事もあるみたいです。良いか悪いかを書く気は全くなく、自分が海外出張で見かける光景です。

 

 

輸出用の商品を入手出来ない場合は、輸出を考えないのが得策かも

 

日本産のウィスキー(例えば山崎や響)の12年、17年、21年等の最近ではレアになってきた商品を欲しがる海外の輸入者は多いかと思います。しかし、日本国内ですら入手困難ですので、安定供給をするのは難しいですよね。小売店やネットショップで買ったものを転売する行為は、免許業者としてはダメなはずですので、輸出するのは現実的には難しいのが現状ではないでしょうか。

 

そして、ある程度まとまった数量(例えばパレット単位)で輸出出来ないのであれば、そんなに利益の確保も出来ないはずです。そう考えると、大手メーカーのウィスキーの輸出を考えるよりは、別の商材を輸出するのが効率的かと思います。特に製造メーカーと直接やり取りが出来た方が、何かとスムーズに輸出できるはずです。免税とか。ウィスキー以外の酒類といえば、Made in Japanという話で言えば、清酒や焼酎もありますので、そういった蔵元とつながり、輸出する方が安定的な供給も出来、商売としてウィスキーの輸出より発展性があるのでは?と思います。

 

もしもあなたが本当にウィスキーの輸出をどうしてもやりたいのであれば、大手メーカーのウィスキーと言わず、規模は大手程ではなくても実際に国内でウィスキーを造られているメーカーさんとやり取りする事をお勧めします。ちなみにウィスキーを生産している会社は、とても限られていますので、彼らの商品も品薄な事も考えられますし、海外にも輸出されている可能性も高いです。そういった事も考え、ウィスキーの輸出プロジェクトが本当に良いビジネスなのかどうか?を考慮する事が良いかと思います。

 

 




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