輸入するワインや酒の船便・空輸便の手配はどうする?

投稿日:2016年10月6日|投稿者名: 中野 |9837 回閲覧

「輸入したいワインが決まったので日本に輸入をしたい」

  • 物量が結構あるので時間がかかっても船便を使って自社輸入したい
  • 急ぎで輸入をしたいので空輸で海外から日本に輸入したい

実際に貨物の輸入を考えた時に大きく分けて船か空輸の2つの選択肢になってきますよね?この船なり空輸の手配ですが、日本から手配出来ないか?お悩みの方も多いのではないでしょうか。

 

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メーカーであるワイナリーと連絡をやり取りする分には、「商品の日本への出荷は可能だけど、シッピングのアレンジは輸入者側で行ってほしい」という場合もあります。つまり、自分達としては蔵渡し(EXW Ex Works)での対応だけを普段行っているので、商品・貨物は輸入者側がアレンジして取りに来てほしい。そして、その後貨物を船なり空輸で日本へ輸出してください。という考えですね。

 

そうなってくると、日本の輸入者としては、どうにかしてシッピングのアレンジをする必要があるのですが、初めての輸入時など不慣れな時は、どうやってシッピングを手配して良いのか?分からないですよね。

 

 

船便で輸出・輸入の手配をする時は

 

基本的に船便ですと、物量を多く積みこめますが、出港する港から日本の到着港までの航海時間が、空輸に比べて長く掛ってきます。ヨーロッパからですと、直接日本の港に入るのではなく、途中のシンガポールや香港などを経由して日本の港に入ってきたりします。そうすると、経由する港で数日から1週間程度の時間がかかってきます。もしも、ダイレクトに現地の港から日本に入ってくるようでしたら、この数日から1週間かかる時間は短縮されますね。

 

ヨーロッパ(例えばフランスやスペイン、イタリア)から日本に入ってくる船便ですと、約1ヶ月半程度の航海時間がかかると考えておいた方が良いです。もしも○月までに商品(ワイン・酒)が必要!といった期日がある場合は、逆算をして遅くてもその期日の約2ヶ月前には現地の港を出港するように手配をしたいところです。

 

船便を手配する場合は、現地の港での掛る時間も気にする必要があります。輸出通関にも1週間~10日程度は見ておいた方が良いかと思います。貨物が船会社指定の倉庫に到着をしても、コンテナに積む作業や、場合によってはパレッタイズ作業、そして船に積む作業にも時間がかかります。そして勿論、輸出の通関にも時間がかかるので、早くみても貨物が倉庫到着してから1週間~10日程度はかかってくると想定しておきましょう。

 

 

日本への輸入を空輸で手配したい時は

 

空輸にかかる時間は、勿論船便と比べてかなり早いですよね。世界中のどこの主要国際空港から出航しても、どこかで軽油したとしても出航から2~3日もすれば日本の国際空港へ到着します。例えばフランスの国際空港から貨物が出航されたとしても、2日、3日程度で日本の空港(例えば成田)へ到着します。

 

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早く到着させる事は可能ですが、船便との価格を比較すると、高額になってくるのが一般的です。価格に関しては、「現地で発生するコスト」、「空輸コスト」、「日本の空港で発生するコスト」の3つを頭に入れておきましょう。

 

現地空港で発生するコスト:

  • Pickup charge
  • Export Custom Clearance
  • X-ray
  • Handling charge
  • AMS Fee
  • Document Fee
  • Shipment coodination charge
  • Security handling fee

 

空輸コスト:

  • Air Freight

 

日本の空港で掛るコスト:

  • 輸入通関
  • 取扱料
  • 食品検査(分析)
  • 食品申請料
  • 持ち出し手数料
  • 修正、更生手続き
  • 保管料
  • 関税、酒税、消費税
  • 配送料(国内配送を希望するなら)

 

ザックリですが、こういった名目で様々なコストがかかってきます。勿論、上記で上げたのは一例ですので、ケースバイケースで追加の項目や、発生しない項目が出てくる事も考えられます。ですので、例としてお考え頂ければと思います。

 

 

どこの国からワインを輸入する

 

ワインは世界中の多くの国々で生産がされていて、有名どこの国もあれば、日本ではあまり知られていない国でも生産がされていますよね。

 

日本で見かけるワインといえば、

  • フランス
  • イタリア
  • アメリカ
  • スペイン
  • ドイツ
  • チリ
  • アルゼンチン
  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • 南アフリカ

こういった国のワインが酒販店でも見かけますよね。大きく分けて、ヨーロッパ、ユーラシア、南米、北米、アフリカ地域といった感じですね。あまりアジアで生産されたワインを日本で見かける事はないかと思います。これらワイン生産主要国には国際空港があったり、港があるので、そこから日本への発送となってきますね。

 

 

空輸・船便の手配

 

初めて輸入される方であれば、どうやってシッピングを手配するのか分からず困る方もいるかと思います。いくらワイナリーなり生産者とつながったところで、シッピング方法を解決出来なければ、商品・貨物を日本に輸入する事が出来ませんよね。

 

また、船便・空輸便どちらを使用すれば良いのか?の判断も難しいかと思います。空輸便といっても物量によってはA社、B社のように使い分けを考える事もあります。やり方によってはコスト高になってしまうので、上手に判断をしたいところです。船便に関しては、常温コンテナ(Dry)か、定温コンテナ(Reefer)の選択肢も出てきますよね。勿論、定温コンテナ(Reefer)の方が常温コンテナ(Dry)に比べると高くなるので、どの方法で手配するか?を考える必要があります。また、フルコンテナ(FCL)や、混載(LCL)での手配をしたい場合もあると思います。FCL・LCL、どちらで送るか?の判断もポイントですね。

 

 

初めての輸入時は不安もいっぱい

 

誰でもそうだと思いますが、初めて輸入する時は不慣れな事や分からない事も多く、「本当に無事に酒を輸入出来るか?」と心配になるかと思います。なぜなら、シッピング以外にも通関に関して用意するものがあったりするからです。貨物は日本に到着したのは良いけど、「輸入通関」を通れなければ、手元に商品(酒・ワイン)を持ってくる事が出来ません。買い付けした酒代は既に支払っている場合は、日本の輸入通関でトラブルがあったからといって、メーカー(輸出者・生産者)が返金に応じてくれるとも考えられませんね。

 

僕達が今まで輸入サポートしてきたクライアントには、空輸会社の紹介や、船会社の紹介も行ってきています。(国によっては紹介出来ない場合もあったりしますが)また、紹介していない場合でも、ワイナリー側がアレンジしてきた空輸・船会社で送られてきた貨物を、日本で輸入通関する会社を紹介する場合もあります。いずれにしても、今までサポートして実際に日本へ商品が輸入されてきたものは、全て輸入通関を通り、クライアントの手元へ到着しています。ワイン、スパークリングワイン、スピリッツ、リキュール等、様々なお酒の輸入をサポートした経験があります。

 

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サポートしてきたクライアントは日本の色々な地域です。沖縄の方もいれば、北陸の方もいますし、勿論関東圏の方もいます。その他にも静岡、愛知、九州エリアからのご相談を受けた経験もあります。

 

もしも始めての輸入で「ちゃんと輸入出来るか心配」という場合は、貿易実務を分かっている方と一緒に実務を進める方が効率的ですし、不安も解消されるかと思います。私達はお酒に関する輸出・輸入のサポートをしていますので、今までの経験があなたのお役に立てば幸いです。

 



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