「これからワインを日本に輸入するので、空輸料金が気になる」
という方もいらっしゃるかと思います。
僕達は個人輸入についてのサポートはしていなく、輸入者として販売目的での輸入をされる方々のサポートをしています。ですので、以下はこれから始めてワインの空輸をされる方向けのコンテンツとなります。少しでもお役に立てば幸いです。
まずワインの空輸に関してですが、販売目的で日本に輸入をされる場合は輸入通関用の準備を進める事が第一ステップとなります。せっかく日本の空港にワインが到着しても、通関を通れなければ手元にワインを持ってくる事が出来ません。ですので、輸入通関を通す為にも「事前準備」が求められてきます。
空輸前の事前準備として
販売目的なりサンプルの取りよせとして輸入する場合は、貨物が日本に到着する前の段階から輸入通関時に必要となってくる情報収集を進めましょう。
ポイントになってくるのは
- 製造工程
- 原材料
- 検疫検査
- 日本語ラベル
- 税金の把握
これらは、最低限準備する、又は事前にある程度知っておく事をお勧めします。内容によっては輸入者が自分自身で準備出来ないものがあります。そういった情報は生産者・輸出者から入手する必要がありますので、空輸される前に現地側へリクエストを出し、入手しましょう。
輸入するワインには関税・酒税・消費税の3つが掛ってきますので、事前にどの位の税金がかかるのか?が分かっていれば、実際の輸入通関時にアタフタしないで済むはずです。また、販売目的での輸入の場合、輸入者は日本国内での販売価格を考える必要もありますので、こういった税金や経費を把握する事で、プライシングが行いやすくなりますね。
また、販売するワインには、日本語ラベルが貼られている事が必須です。フォントの大きさや、記載する内容は細かく決まりがありますので、それを満たす裏ラベルを用意する必要があります。そして、表示方法届出書も準備し、輸入通関へ進みましょう。
空輸料金で気にする事
空輸料金とザックリといっても、内訳としては細かく分かれてきますね。「運賃+税金」とお考えの方もいるかと思いますが、「現地コスト+運賃+日本通関時のコスト(税金含む)」で考えるのがお勧めです。
輸入するワインや酒の船便・空輸便の手配はどうする?にも記載しましたが、「現地で発生するコスト」、「空輸コスト」、「日本の空港で発生するコスト」と3つ掛ってくるコストがある事を事前に知っておきましょう。
空輸料金では物量の重さで変わってくるコストと、物量に関係なく掛ってくるコストがあります。例えば、Document feeは物量に関係なく、「1シッピング=○○円」の様に計算されます。そして、コストが変わってくる点とすれば「貨物の重さ」です。一般的には容積か重さで計算されるのですが、ワインの様に重たい貨物の場合は「重さで空輸代が計算」されます。例えば「1Kg=○○円」といったような感じです。
ワイン1本は約1.3KGですね。後は箱の重さを気にすれば良いかと思います。500G~1KG/1箱と思っておけば良いでしょう。僕達は普段750MLの12本入りの貨物であれば、「1.3KG×12=15.6KG」、これに箱の重さを1KGと考えて、おおよそ17KGで頭の中に入れています。少し多めに重さを考えていた方が、実際のシッピング代の請求書を見て、若干割安感を感じると思います。逆に、貨物を軽い方に考えて、請求書の金額をみて「思っていたより高い!」となるよりは、良いかなと思っています。
144本のワインを輸入する時は、どの位の料金?
空輸料金は、使用する空輸会社や時期、地域(距離)等で変わってくるので、ここではザックリとした数字を事例としてお知らせしたいと思います。
- 1.3KG×144本=187KG (おおよそ200KGとします)
- 空輸代金が「2Euro/1KG」だとすると、200KG×2Euro=400Euro(46000円ぐらい)
といったところでしょうか。
これはAirFreightといって空輸代金。
この他に、現地の諸経費がかかってくるので、それを約300Euro(35000円程度)ぐらいとして、現地コスト+空輸代の合計で8万円前後といったところでしょうか。
さらに、日本での受取・輸入通関時のコストが掛ってきます。関税に関しては商品価格情報が必要なので、ここでは細かく記載しないようにします。税金抜きでも4,5万円程度は日本の空港で掛ってくるかと思います。
空輸コストも大事ですが、受取準備の方がもっと大事!
僕達は空輸に掛る費用より、受取準備の方が大事と思っています。なぜなら、空輸しても輸入通関が出来なければ意味が無いからです。通関が通らないという事は、支払った商品代金+空輸代が無駄になっていまう可能性があるからです。
せっかく日本の空港に貨物が到着したのに、輸入通関が出来ないが為に自分の手元に商品を持ってこれないのであれば、無意味ですよね。そうならないように、事前の情報収集と、受取準備態勢を整える必要があると考えています。販売目的での輸入は、個人消費と異なり、様々な事を満たす必要があります。メーカー側から協力してもらう情報は、場合によっては入手するまでに時間が掛る事も予想されますので、事前に入手しておく事をお勧めします。
また、日本語ラベル造りにも簡易的な物を使用するのか?それとも本格的な物を用意するのか?によって掛る時間も変わってきますよね。ですので、スケジューリングを考えて、ステップバイステップで準備を進めるのが効率的です。
もしもこれからワインの輸入販売を考えているなら、空輸料金を調べながら、同時進行で輸入通関準備を進める事をお勧めします。