アメリカへ酒を送りたい!とお考えの方へ、送る際の注意点を簡単にお知らせします。
基本的には以下の情報を揃えれば、日本側からの発送準備はOKです。
- Invoice
- Packing List
- AirWaybill
- 輸出者免許
- 輸入者免許
- 場合によっては輸出相手国の通関書類
ただし、アメリカに貨物をのせた航空機が到着し、輸入通関する際に輸入者側から追加の情報を求められる場合がありますので、ご注意ください。求められる時と求められない時があるようです。これは物量によってそうなるのか?又は、書類の記載でそうなるのかもしれません。詳しくは送り相手である輸入者さんに事前に相談される事をお勧めします。
輸入時に求められる情報とは?
「TTB pre-COLA waiver letter」というものをIADに提出する事を通関側から求められる場合があります。
参考:https://www.ttb.gov/itd/importing_samples.shtml
上記のページをご覧になって頂ければ、「どんな準備を進める必要があるか?」が書いてあります。これは基本的には、今回送る酒(例:サンプル)は、何のために使用するのか?や、準備方法について分かりやすく書いてあります。
輸出するだけであれば、輸出者は日本での条件を満たせば酒の輸出が可能ですね。最低限、免許を持っている事は当然ですが、その他にも貨物のパッキングをしたり、書類の記載、PNの準備等があるかと思います。しかし、いくら日本の輸出者が日本で出来る準備を終えても、今度は輸入側のアメリカでの準備を満たす必要もあります。これについては、あまり日本側の輸出者は把握していない場合が多いと思いますので、輸入者と輸出者で上手に連携をして準備を進める事がポイントとなります。
特に輸出者としてはFDAのPNを準備すれば、ある程度難しいところは終わったかな?と思いますよね。実際にPNの発行に不慣れであれば、物凄く悪戦苦闘されるかと思います。空輸の場合ですと、日本を出て現地に到着するのは24時間以内ぐらいと、とても早いのでPNは日本側で準備し、添付ファイルとして空輸会社へ提出されるのが一般的かと思います。
pre-COLA waiver letterは輸入者が提出しても、処理に数日の時間が必要になりますので、貨物発送時前の段階で、輸入者には準備を進めてもらうように輸出者側から伝えるのが良いかと思います。つまり、ここで輸出者と輸入者の「連携」が重要になってきますので、貿易実務として頑張りましょう。
日本の輸出者側の準備として
Invoiceへ「サンプル使用です」という記載は書いておくのが好ましいですね。
例えば、Sample use only, Not for saleといった文言です。
また、各サンプル(商品)にも英語での簡単なラベルを貼る事をお勧めします。ラベルにも「Sample use only, Not for sale」といった内容を記載するのが良いでしょう。そうする事で、もしも税関検査があったとしても1本1本のサンプルは「本当にサンプルであり、販売用ではない」という情報が伝わります。
このラベル準備は、日本から貨物が出航する前に終えている事がポイントですので、場合によってはラベル情報を蔵元へ送り、印刷して貰ったものを各ボトルへ貼って頂くのが良いかと思います。それか、輸出者が発送前に各ボトルへ貼る作業をし、その後空輸会社へ貨物を手渡すのが流れになります。
サンプルを使用する日にちが決まっているなら逆算して準備を!
例えば、○月○日には、日本から送ってもらうサンプルが必要といったDeadlineが決まっているのであれば、逆算して早めに全ての準備を進める事をお勧めします。
準備する内容として:
- サンプル輸出する商品を決める
- 各商品の本数を決める
- サンプル扱いという英語表記のラベルを貼る
- Invoice, PL, AirWaybill等の輸出者が書ける情報をまとめる
- PNは出航日に合わせてFDAのアカウントで用意する
- PN用にメーカー情報の登録が必要であれば、事前に行う
- サンプル出航日を決め、輸入相手にも伝える
- 輸入者にはCOLAの準備を進めてもらう
- 各種情報が揃った時点で貨物を日本から輸出する
- 現地で輸入通関
- 通関後輸入者の手元へデリバリー
- サンプルを使用する
といったのが、ザックリですが流れとなります。
輸出・輸入に関しては、実務を行う人間によってそれぞれ順番や、準備の仕方は異なってくると思いますが、大体は上記の流れを行う事になってくるはずです。僕達は上記で準備をしサンプルを送ってます。必ずしも上記のやり方が最適とは言えないかもしれませんが、実務経験者の内容として参考にして頂ければ幸いです。
もちろん、どんなに準備を進めていても「輸入通関の税関担当者の見解」によって、左右される事もありますので、上記をやったからといって100%通関を通りますよとは言えませんので、参考程度に見て頂き、引き続きご自身でも輸出・輸入に関して情報収集をして頂ければと思います。
また、上記の流れはサンプルを空輸する時の内容を書いていますので、本格的に輸出をお考えの方は、上記とは異なる貿易実務が出てきます。これから輸出プロジェクトを始める方であれば、実務について不明点が多いかと思います。そういった場合は、実務経験者と一緒に準備を進めていくのが効率的です。ただし、酒の輸出実務をコンサルしてくださる方はあまりいないのが現状です。もしも実務サポートが必要であれば、僕達へお気軽に相談をして頂ければ幸いです。
アメリカへの酒のサンプル輸出、あなたもチャレンジしてみませんか?