お酒の輸出・輸入時のトラブル回避

投稿日:2017年3月2日|投稿者名: 中野 |6045 回閲覧

僕達がお酒の輸出や輸入を行っている時、

そしてクライアントのプロジェクトをサポートしている時に気を使う事があります。

 

 

  • 輸入通関を遅らせる様な物は貨物に含まない

これをいつも注意しています。

 

日本での輸入通関時や、海外(取引相手側)の輸入通関時でも、通関担当者が「何だこれ、良く分からない商品・雑貨が入っているゾ」っとなると、そこから悪戦苦闘が始まります。

 

5,000本~10,000本近くのOceanの案件もあれば、400本~500本ぐらいのAirシッピングの時もあります。申告する物量が多い、少ないに全く関係なく、通関というのは細かい。とにかく細かいです。つまり情報がしっかりとしていないといけません。

 

よくある話・・・。

  • 輸出相手(輸入者)さんからのリクエストで、「販促グッズを入れてほしい」
  • ワインの輸入時に「ディスプレイや電飾、販促グッズ」が入っている

こういったのは一緒の貨物に入れないで欲しいと相手に伝えたり、自分達がShipperの時は一緒に送らないようにしています。輸出時の日本での通関はそんなに難しくないのですが、問題なのは輸入通関時です。海外から酒+販促品を一緒に輸入する際や、自分が送った貨物の中に販促品が含まれる際は、相手側の国の輸入通関時に色々と苦労をする場合があります。

 

 

通関時、何がそんなに大変なの!?

 

  • 酒と一緒に販促品も入れるのぐらい簡単でしょ?
  • 今回沢山酒買うんだから、グッズも何か送ってよ!
  • 御社の商品を売るんだから、プロモーションで使うグッズが必要!
  • パレッタイズした貨物の中に1、2ケース隠すように入れてよ!

と、色々な理由から「酒+α」を欲しい場合、又は相手が欲しがる場合ってありますよね。

 

「酒に比べて、販促品だったら輸入通関ってそんなに難しくないでしょ!?」

と思われている方も多いかもしれません。

 

 

  • もしもInvoice上にそのグッズの情報が記載されていない場合・・・。

「Invoiceに載せてなければ、通関時に面倒な事にならないと思うから、送ってよ!」なんて事を平気で言ってくる方がいるかもしれませんね。書類には記載されていないので、通関時に税金も掛らないだろうし、このやり方なら簡単に送れるよ!なんて思っているかもしれません。

 

でも、通関する貨物に税関検査が入りX線をあてて、貨物チェックをされたら、どうなるでしょう?

貨物の中身情報が不明なので、箱の中身を開けられてチェックされたら、どうなるでしょう?

 

そこで、申告書には書いてないグッズが見つかった場合、「申告内容と異なる」という事になりますね。そうなれば、必然的に酒の通関も一時中断となり、必要な情報の補足をして許可が下りない限りは、保管代が発生します。また、補足情報が足りない場合は、最悪の場合送り返すか、処分するかになる可能性もあります。

 

 

  • 販促品として入れたグッズの詳細情報を出してください!と言われたら・・・。

原材料は何で出来ているのか?原産国はどこなのか?電圧はどうなっているのか?HSコードは何なのか?どの様に使用するのか?グッズの具体的な写真を出してください!etc…

 

到着して、直ぐに酒を取りだしたい時に、上記のような「アレ出せ、コレ出せ」という要求が出たら、どうしますか?輸入者側は、送り主よりグッズの詳細情報を細かく収集する必要があります。ですので、時間と労力がかかりますね。そして肝心の酒は・・・、これらグッズの情報待ち状態です。

 

 

通関トラブル回避の為に・・・

 

僕達が取引相手からリクエストされて、酒以外の物を送らないといけない場合は「貨物を分ける」ようにしています。

 

 

つまり、

  • 輸出時であれば、船便なり空輸便で酒だけを送る
  • 輸入時であれば、グッズと酒は別の便で送ってもらう

という事です。

 

FedExやEMS等で手配するようにしています。ここでポイントになるのは受取側の「郵便番号」をシッカリと把握しておく事です。例えば、自分から海外の輸入者へグッズを送りたい場合は、郵便番号を知った上でShipping会社の手配をする事です。FedExが使いやすい、有名だから・・・と思っていても、デリバリーをしてくれない地域があったりもします。ですので、せっかく書類を準備しても、集荷時に「この場所には配送出来ないんですよ・・・」と言われる事もあります。

 

 

  • ギフトなのか?商用サンプルなのか?

によっても、若干書類の記載が変わってくる場合もありますので、発送時の準備は慎重に行う事がポイントです。場合によってはHSコードを1点1点明記しないといけない場合もありますので、コードを調べるのが不慣れな方には大変かもしれません。

 

自分がグッズを受け取る側の場合は、「酒を送る際のコンテナには入れないでください。EMSかFedEx等の別サービスで配送をお願いします。」と事前にお知らせする事をお勧めします。また、送られてくるグッズが決まったら、輸出者に頼んで細かな情報を集めるのが良いでしょう。もしもの時に備えて、情報収集をしておけば、通関時に役立つと思います。

 

通関トラブルを回避するように貨物の手配(本命の酒のShipping)をすれば、通関の遅れや、発生するかもしれない労力を回避できるかと思います。ちょっとした事かもしれませんが、こういった手配が出来るようになれば、スムーズに貨物を受け取れるようになるでしょう。