どんな国だと日本酒が飲まれているか?そう考えると、
- 経済的に豊かである
- 日本と交流が盛んである
- 日本文化や食文化が広がっている
このようなポイントがあると思います。
そして、日本酒の昨2010年(1~12月)の輸出実績を上位5位順に並べるとこんな感じです。
輸出量順位 |
国名 |
数量(KL) |
前年比成長率 |
1位 |
アメリカ合衆国 |
3,705 |
103.7% |
2位 |
韓国 |
2,590 |
132.6% |
3位 |
台湾 |
1,639 |
118,7% |
4位 |
香港 |
1,437 |
109.8% |
5位 |
中国 |
625 |
128.7% |
アメリカについて、僕が1999年~2006年まで住んでいて感じる事ですが、日本食への関心が物凄く高くなっていると思います。ただし、「本当の日本食」というようなレストランは、まだまだ少なく、アジア人が経営しているSushi RestaurantやJapanese Steak Restaurantが急増している気がしました。いずれにしても、日本食への注目度は年々高まる傾向があり、それに伴い日本酒にも注目が集まっていると思います。アメリカ事態は、Sushiブームが起きてからかなりの年月が経っているので、日本酒の輸出量が一位というのは、うなずける気がします。
さて、2位~に注目してみると、「アジア」である事がわかります。各国々の人口を考えると台湾は約2000万人。韓国は約5000万人。香港は約700万人との事。そう考えると、台湾や香港は他の国々の人口より少ない比率でも、こんなに日本酒を消費している事が分かります。
台湾は親日で有名なのと、僕自身学生時代に台湾人の友人がいたので、少し気になる国でもあります。 でも実際の所は、もう既に多くの日本酒ラインナップが台湾へ輸出されているので、これから新規参入で入り込むには、色々な戦略や人脈が必要になってくると思います。
Regulationの話をすれば、そんなにハードルが高い訳ではなく、注意点としては温度管理や流通、日本酒への知識・理解度がポイントとなってくるでしょうか。
引き合いはあっても、まだ本格的に始動していないので…
今までにも、台湾の輸入会社から引き合いは何件かあるのですが、実際にコンテナ単位での商談にはまだなっていません。やはり、今からの参入となると後発なので、それなりの販売チャンネルを持っている企業とお付き合いをしなければ、実際に輸入者も輸出者も「儲かるビジネス」をするのは、難しいんですね。
たまに、「小ロットで輸出を開始したいのですが…」とご相談される方がいるのですが、商売的に言えば、500万円~1000万円ぐらいのビジネスをしないと、労力ばかりで儲けは殆ど出ません。出たとしても、会社規模で存続、発展させるには、輸入者・輸出者も難しいんですね。個人で輸出するレベルであっても、必要となってくる経費や労力を考えると、少ないロットでの商売は、割に合わないというのが本音です。
これは、実際にご自身で電卓を叩いてもらえば、よく理解できる事です。
例えば、56x43x35cmの約15~20KGぐらい入るダンボール1つを使って輸出するとしましょう。
この手のサイズに、梱包をした状態の日本酒(720ml)を入れますと、12本です。実際、弊社もこのサイズの段ボール箱を、サンプル輸出用に使用するので、よく分かります。
そこで、この段ボール箱を海外に送るとしましょう。
- Ocean Freight
- Air Freigt
の選択が出てきますが、Oceanで荷物を送ると、「温度」の問題が出てきます。
コンテナは、船のどの位置に置かれるか?は誰も指定出来ないからです。つまり、船の一番テッペンに置かれてしまう事もありえます。そうなってくると、コンテナ内の温度は40度以上になるのも当然…。想像するだけでも怖いですよね。そういった理由から、「Air」を使うのが選択肢として残されてきます。
さて、このAir、、、一体いくらのShipping Costがかかるでしょうか?
メリットは色々あります。
- 数日以内で相手の手元に届けることが出来る
- 船と違い、温度が高くなり過ぎる事は殆どない
- 港を使わないので、諸経費が少ない
でも、、、
Shipping Costはかなり高いです。
僕自身、何社かの空輸会社をケースバイケースで使い分けますが、
それでも毎回「結構高いな…」と思いながらお願いしています。
サンプル発送ですので、ゆっくりしている暇はないので、
There is no other way but using the air….といった所でしょうか。
何だかんだ言って貿易ビジネスを本格的に行うには、
- 輸出者側は、まとまったお金
- 輸入者側は、その規模で仕事が出来る相手
が求められます。
僕も台湾への輸出を本格的に開始したいのですが、まだそれらの条件がマッチしていない状態です。ここは焦らず、現地の流通情報を知人の蔵元から聞いたりしながら、どんな活動をすれば、自分が求めている規模の貿易会社と連携できるか?が見えてくると思います。
輸出ビジネスはハードルが高く難しいのですが、そこが遣り甲斐のあるところですね。