- 「ワイナリーから直接何ケースかワインをサンプルとして輸入したい!」
- 「クラフトビールの輸入を考えているので、サンプルを取り寄せたい!」
- 「ブランデー、ウィスキー等を空輸でサンプル取り寄せしたい!」
など、今後貿易ビジネスを始めたいので、とりあえずサンプルを取り寄せてみたいとお考えの方も多いかと思います。
サンプルを取り寄せて・・・、
- 商品の味見をしてみたい
- パッケージを確認したい
- 知り合いや飲食店の方に飲んでもらい反応を知りたい
- テストマーケティングをしてみたい
- 輸入時の経費を知りたい
- 今後のビジネス展開の参考にしたい
など、様々なお考えから、「まずは一度輸入してみたい」と思われる方もいますよね。
「サンプル輸入=簡単」という考えをお持ちであれば注意が必要!
販売目的じゃないんだから輸入するのは難しくないでしょ?とお考えの方もいるかと思いますが、「簡単にできる」とお考えであれば気をつけた方が良いかと思います。
基本的にサンプルの取りよせを考えている方は、「どなたか送ってくれる相手を知っている」というのが前提かと思います。送ってくれる相手がいるんだから輸入は簡単に出来るとお考えかもしれませんが、シッカリと考えて行わないと後々大変になる事も考えられますので慎重に進める事をお勧めします。
アルコール飲料の輸入には勿論決まりがありますね。例えばあなたが海外旅行へ行って、現地からお酒を手持ちで持って帰ってきたとしても「税関申告」というのがあります。一定量を超えるアルコール飲料には「税金」がかかってきます。詳しくは税関のHPに記載があるので参考にされる事をお勧めします。
免税範囲について:(http://www.customs.go.jp/kaigairyoko/menzei.htm)
サンプルを取り寄せる場合は自分自身でハンドキャリーするのではなく、航空便か船便での取り寄せとなると思うので事前にどんな流れになるのか?を把握しておいた方が良いですよね。
サンプルとして認められなかったお客さんの事例
先日、僕達が輸入サポートをしているクライアントから連絡がありました。
- クライアント: 金曜日午後14時:「空輸会社から日曜日(2日後)着でワインが入ってくる」と急な連絡が僕達に入りました
- 僕達: 「ちょっと待ってください。あまりにも急ですね。輸出者から空輸の手配を進めていたと事前に聞いていましたか?」
- クライアント: 「いいえ、実は私達も急にワインが到着するので困っています」
- 僕達: 「輸入の準備はまだ整って無いですよね?以前僕らが手引をした情報についてです。」
- クライアント: 「はい、まだ準備できてないんです…。」
- 僕達: 「輸入時の必要情報が揃っていないなら通関を通せないので、揃うまでは輸入できませんね。」
- クライアント: 「サンプル扱いで通関出来ませんか?」
- 僕達: 「輸入後どうされますか?」
- クライアント: 「イベントがあるので、そこで殆どのボトルを配る予定です。」
- 僕達: 「輸入するボトルの数量は?」
- クライアント: 「600本ぐらいです」
- 僕達: 「そうですか、今頂いた情報で通関担当者に相談してみます」
- 通関担当者: 「この条件ではサンプルとしての輸入が出来ないです。」
- 僕達: 「やっぱりそうですよね。2点引っかかる点がありますよね。」
こんなやり取りがありました。
結果的に海外から送られてきたこのワインをサンプル輸入として通関する事は諦めました。
そしてこのクライアントから出た次の質問:
- 「個人消費という事で輸入通関出来ませんかね?」
この考えについても2点ダメな理由があるため、個人消費という形で通関する事も諦めました。2点というのは「Invoiceの情報」と「○○」。この為、個人消費という申告もダメという事に・・。個人消費と税関に言う為には、そもそもその準備をして輸入する必要があります。ですので、急に個人消費用に変えたいといっても、出来る場合と出来ない場合があります。僕達の経験では、出来ない場合の方が多いと思います。
安易に考えるのは危ないので気を付けて!
「サンプル何だから良いでしょ!」と考える方も多いかと思いますが、「サンプルだろうがアルコール飲料」であるのは間違いないですね。日本国内ではアルコール飲料(酒類)は税務署が厳しく管轄しています。
また、日本国内に輸入される全ての物は税関が管轄しています。つまり、国内でネットショップを利用して商品を取り寄せる感覚では危ないという訳です。
規定量を超える酒類の持ち込み(輸入)であれば、それもちゃんと対応をしなければ、自分の手元まで商品(お酒)は届かないという事になります。
サンプルの輸入が日本での検疫検査を受けるのが目的の場合
僕達のクライアントの中で「1コンテナ分輸入します」という方もおります。本数にして6000本~8000本近くの数量です。こういった大量輸入の時は、その商品が日本国内で流通可能な商品かどうか?とテスト輸入する事をお勧めしています。
例えば、検疫検査もその内の1つです。特に変わった商品(ユニークな商品)の本格輸入をお考えの方は、まずはテスト輸入して検疫検査を受ける事を強くお勧めします。
なぜでしょうか?
もしもコンテナ分(6000~8000本)輸入してみて、通関時に「この商品は日本では流通出来ません」と判断された場合、輸入通関が出来なくなります。つまり、この商品は流通が出来ないという事です。そうなったとしても、メーカー側は「私達はちゃんと商品を日本に送ったので、代金は頂きます。返品は受けません」という可能性が高いです。そんな事になってしまえば、商品を破棄するしかなく、支払った代金は戻ってきませんし、商品を送り戻す事も出来ませんね。つまり、最悪の事態になってしまう可能性があります。
そういった事態を避ける為にも、検疫検査を受けて、「証明」をもらうのが好ましいですね。この検疫検査を受ける際のサンプル輸入でも、「ちゃんとしたやり方」をやらなければ、検査対象商品として認められない場合があります。つまり、「サンプルを取り寄せたのに検査に出せない」という問題が発生する訳です。
こういった問題を避ける為にも、ステップバイステップで上手に輸入手続きを進めていくことが求められます。
もしもサンプルが手元に届かないという事は?
手配してくださった酒、海外から日本まで届けた際のシッピングコスト、これらが無駄になっています可能性がありますね。空輸で数ケースの貨物を取り寄せたとしても少なくても2,3万円はかかってくるでしょうし、日本の通関時に問題が発生したとなれば、送り主も気分が悪いでしょう。なぜなら、彼らは輸入者の指示に従って物を用意し、シッピングもアレンジしたからです。
せっかく送ったものが日本で輸入通関出来なかったとなれば、「何だよ~、指示された通りにやったのに」っと送り主が思っても当然ですよね。
特に、これからそのワイナリーの商品を輸入して貿易ビジネスを行いたいと考えていた際に、こういった不手際があれば、相手に対しての信用問題にもなるかもしれません。こういったのはお互いの関係構築の為にも避けたいところですね。
あなたの貿易ビジネスを上手に進めていくには、「事前準備」をシッカリと整えていく必要があります。免許、通関など色々と準備を進める事がありますので、経験がある方と一緒に動いていくと効率的に対応できるでしょう。
酒の輸入に関してサポートが必要であれば、お気軽にご相談してみませんか?